ひとりごと

うごく速度でかわる景色

ゴールデンウィーク。本来であれば愛車で1週間ぐらいキャンプツーリングに出かけたかったのだけどそうはいかない。

有り余った時間を消費するため、運動不足を解消するため、ここ何日か散歩へ出かけている。

 

どちらかというと後者の理由の比重が大きいかもしれない。
一日家にこもっているのは身体にはもちろん、心にもよろしくない。

幸い私は田舎に住んでいるため、家から1歩出れば「疎」
全然人がいない。

 

車も通れないような川沿いの道を時に小走りで、時に腕と足をブンブン大きく動かしながら歩いていると、世界はたくさんの音に溢れていることに気が付いた。

クマンバチが飛ぶ羽音は、他の羽虫とは違って太くて大きい。空中でホバリングしている姿は一見恐ろしいけど性格は温厚。
刺激しない限りは刺してくることはないため焦らず通り過ぎること。
よく見ると首の周りは黄色くホワホワした細かい毛がはえていてかわいく感じてくるから不思議だ。

お世辞にもキレイとは言い難い川の中は鯉が群れを成して泳いでいる。先頭を泳ぐのが雌らしい。女の子のケツを追いかけているわけだ。
浅瀬を泳ぐときは腹が川底に擦れるのか、バシャバシャと大きな音をたてて尾びれが水を掻く。

ビュウ、と風が吹くと遅咲きの牡丹桜からハラハラと花びらが舞い散る。立ち止まって眺めていると、時々花がまるごとパサ、と落ちてくるものもある。
小鳥が蜜を吸うときに花の根本(ガク)をくちばしで摘まむためらしい。
満開の花の周りには虫も鳥も人も、たくさんの生き物が集まる。

 

あぁ、気持ちがいいなあ。
知っている世界のはずなのに、新鮮なことばかりだ。

 

はて。この感覚、どこかで感じたような…

すこし考えてみて「あぁ」と思い当たった。
初めての愛車エストレヤから、クロスカブを増車した時だ。

 

他の車の影響を受けないとして、エストレヤに乗っている時に気持ちいいと感じるのは時速60㎞前後だ。
それ以上速くすると無理をさせているような乗り心地になるので、あんまり楽しくない。
遅くすることはできるけど、ベストではないと思う。

 

対してクロスカブで一番気持ちいいと感じるのは時速40km前後だ。
(異論は認めるが、この記事内ではこれを前提に話をさせてほしい)

 

両者の速度には20㎞の差がある。

大げさかもしれないけど、見える景色が変わったのだ。

これまでエストレヤに乗っているときは単気筒のトコトコした振動も含めたゆるやかな、でも意外と力強い乗り心地や、低めの重心でのんびりと曲がる大きめのカーブ、風の上に乗って移動しているようなバイクとの一体感を楽しんでいた。

クロスカブに乗ってみると、軽い乗り心地でポインポインとクリアしていく平坦な砂利道、連続した細かいカーブを次々と曲がるテンポのよさ、非力な相棒と一緒に向かい風に挑む冒険感を楽しむ自分がいた。

 

ひとことでバイクといっても、まったく違う乗り物だったのだ。

今回散歩をしてみて、徒歩旅も楽しいんだろうな、と思った。
時間が許してくれるならいつかやってみたい。

歩きながら「なんでこんなに感覚が変わるんだ?」と悩んでいたけど、
たぶん本当にシンプルな話なんだと思う。

今日の話はそれだけ。

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