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しまなみ海道の旅④ 名前も知らない友人たち

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☆前回のお話☆

TさんとFさんに見送られ、食料を調達しに伯方島へ向けて出発した。

橋からおりて右に行けばスーパー、左へ行けば夕ご飯にはありつけなくなる、とFさんから教えてもらっていた。

 

聞いていた通り、伯方島へ降りてすぐ右へ曲がり、しばらく走ると「伯方ショッピングセンター」についた。

「なに食べよう…。なに食べたらベテランキャンパーっぽく見える…?」

やっぱりかっこつけたい気持ちはあるよね。

さんざん悩んだ末、

「めんどくさくなってきた!!」

うどんを買いました。

駐車場で荷物を積んでいたら店員さんが

「カッコイイ〜!」

「私も乗ってみたいなあ」

とか言ってくれて照れる。

 

「原付きですから、すぐに乗れますよ!」

なんて言いながらも本当は嬉しくてたまらない。

そう、かっこいいんですよ。私のバイク。

鼻歌交じりに橋に戻り、見近島に帰った。

約束通りFさんが待っていてくれました。

付近のソロキャンパーにも声をかけてくれていたらしく、どこからともなく人が集まり、夕ご飯スタートです!

自己紹介をしながらそれぞれご飯も披露します。

「自分、ケーキ屋から最近転職して。給料増えたけぇ念願のカブ買ったんよ。」

あだ名はケーキ屋さん。

「このアサリは自分で採ってきたんよ」

アサリのボンゴレビアンコ(っていうらしい)

自分だけのお気に入りのスポットがあるそうで、そこに行くとザクザクとれるんだとか!

「普段は料理せんけど、卵焼き作ったけ、食べんさい」

あだ名はお父さん。

きれいな半円にビックリしました。

たまごやきはネギがたっぷり、少し甘めの優しい味でした。

この後も料理を作っては、勧めてくれる。優しいお父さん。

「これからの旅が長いから、野菜不足になっちゃうよね。」

と、Fさん。

ラーメンを鍋で茹でながらカット野菜を追加していました。

出来合いのご飯でもちょっとしたアレンジを加えると一気に通っぽくなりますね!

Fさんがカット野菜をわけてくださったので、私もうどんに野菜増しさせてもらいました。

「乾杯!!!!」

お酒を飲みながらも、みんな料理を続ける。

おつまみが、でるわ!

でるわ!

みんな、料理し過ぎです。笑

わけっこしながらワイワイ騒いでいると、子供の頃に遠足で友達とおやつを交換したのを思い出しました。

おつまみだけではなく、アウトドアトークも盛り上がります。

ケーキ屋さんが釣りをしてたら崖から落ちそうになった話、

Fさんの明日からの旅路の話、
(ちょうど翌日から雨が続くため、どこでしのごう…なんて、みんなで一緒に考えたりしました)

私の新婚ツーリング中の胆振東武地震の被災の話、、、

そうそう。
実は胆振東武地震に居合わせた人が偶然にももう一人いて、その時の話はよく覚えています。

共通の感想としては

「北海道は本当にたくましい!」

ということ。

自分の身はなるべく自分たちで守る、
という意識が強かったように感じたことが一致していました。

あの時は北海道の方々の強さにたくさん助けていただきました。

でも!!

あの環境の中無事に家まで無事故で帰った私達も、
同様にたくましいのだ!

なんて大口を叩いた。
えへ。酔っていたんです。

ここには今日初めて来た人も、毎年集まる人もいる。

九州から、広島から、大阪から、静岡から、三重から。

みんなこの聖地を目指してここまで走ってきた。

中にはバイクが壊れながらもどうしてもここまで来たくて、バイクを押しながら歩いて来た人もいました。

みんな自分の人生があって、知らない人同士なんだけど、偶然今日ここへやってきた。

広い日本という国の中で、普通なら絶対に出会うことのない人たちが
ひとつの机(っていうか、平らな石だけど…)を囲んでいる。

見近島が起こしてくれたミラクルだ。

夜も遅くなってくると一人ずつ離脱し、テントへ戻っていく。

私も眠くなってきた。

よく喋ったなあ。

 

「おやすみなさい!」

名前も知らない友人たちにそう言って、
海沿いの特等席のテントへ帰り、寝袋にくるまった。

翌朝目を覚ますと、覚えの無い生き物が顔の前にいた。

「うわ~、おはよう!」

活きがよさそうな(?)黄緑色をした芋虫に挨拶し、外へつまみ出した。

朝日を浴びながら見近島を改めて歩いてみる。

たくさんの原付、装備にも個性がある。

ワンちゃんも一緒に走れるバイクは初めて見ました。

仲良しなんだなあ。

これは前から気になっていたmakitaのバッテリー。

工具用だからハイパワー。
だけど充電中うるさいらしい。

私のフルパニアも見に来てくれた。

自分のバイクがこうして注目されていると悪い気はしない。
いや、それどころかめちゃめちゃはしゃいでしまった。

楽しい時間が過ぎるのは早く、お別れの時間が来た。

Fさんはもう何日か見近島に滞在するらしい。

握手をして、別れを告げた。

ずっとここにいたいけど、見近島をあとにします。

聖地という呼び名がふさわしい、原付たちの秘密の花園のような場所でした。

たぶんFさんはこの記事を書いている現在、日本1周を終えて自宅に帰っていることだと思う。

もうお会いすることはないかもしれないけど、Fさんの第2の人生が素晴らしい日々になるよう、そしてハンターカブとたくさんお出かけができるよう、全力でお祈りをしています。

そして、あえてこう言いたい。

また、日本のどこかでお会いしましょう!!!

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