ゆるキャンはあfろ先生原作の女子高生たちがゆるゆるふわふわキャンプをする漫画。
アニメ、ドラマ化もされました。
可愛いキャラクターたちが楽しそうにキャンプをする様子はアウトドア好きだけでなく、アウトドア未経験者の注目も集め、舞台である富士山周辺では聖地キャンプも大人気。
アウトドアブームの火付け役ともなった作品の一つです。
今回はそんなゆるキャンを見てキャンプを始めたいと思った女性のために、理想と現実、そして対策をまとめてみます。
あくまでゆるキャンをそのまま真似した時に想定される問題について書くものであって、
ゆるキャンの内容にケチをつけているわけではないことはご理解ください。
ゆるキャンは今のままでよいのだ。
だだ、はじめてのキャンプでそのまま真似して「キャンプしんどい、もう嫌」って思っちゃう女性が一人でも減るといいなっていう、そういう記事です。
冬の寒さへの対策が全体的に甘い
志摩リンの場合
主人公、志摩リンは愛車ビーノでキャンプへ行く。
その時の服装はこんな感じ。
薄手のダウンジャケットを着ている。
ダウンジャケット、保温機能はしっかりあるのですが、圧倒的に防風機能が薄い。
バイクに乗ると、向かい風を強く受けます。
風が強い場所で風通しがいいもの着ても寒いんです。
上は漫画2巻頃の描写なのですが、11月頃の話と思われます。
長野、ビーナスライン付近の気温は例年並みなら2度前後でしょうか??
一般的に体感温度は風速1mごとに1度低くなると言われていて、志摩リンは50ccの原付きに乗っているので30キロ以下で走っているとすると、
風速=時速÷3.6
30÷3.6=8.33333333…
風向きの関係は無視しているのでちょっと雑な計算ですが、気温よりも8度ほど低く感じていると考えられます。
つまり、体感気温は約-6度。
ウヒョー、寒い。
しかも風防を持たないビーノは全身に冷たい風を受けるので、みるみるうちに体温が奪われる。死ぬ。
寒いと体力が大幅に減るし、変なところに力入っちゃって腰など痛くなります。
寒すぎたり風通しがよかったりするところではカイロも役に立ちません。
といことで、現実世界ではまずは風を防ぎましょ。
ここで安価に対策をとるとしたら、ワークマン。
上半身・上半身ともにイージスの上着とオーバーパンツを着ておけば、冬のはじめなら余裕だと思います。
耐水圧10000mm 透湿度8000g/m2/24hぐらいの上着が上下合わせて7000円ほど。破格です。
イージスで風を防ぎつつ、その中に志摩リンが着ているような保温機能を持つダウンジャケットを着るとベストだと思います。
次にグローブ。
指先は軽視されがちだけど、侮ってはいけません!!
ハンドルを握れば風をモロに浴びるし、細長くて肉が少ない部位なので、てきとうな手袋で済ませると「指なんて全部なくなった方が楽なんじゃないか」ってぐらい痛くなります。
いや、実際になりました。
バイク用品のKOMINEさんの冬用グローブは女性用サイズも豊富なので安心です。
手首の丈が長いグローブにすると、袖口から風が入らなくていいよ。
KOMINEさんではプロテクター入りの防風冬用グローブが6000円前後。価格破壊です。応仁の乱か。
バイク用品って高い上に女性サイズがなかったり、あってもワンサイズだったりするんです。
KOMINEさんはジャケットやパンツも女性サイズ作ってくださってるのにすっごく安い。プロテクターもしっかり入ってる。
今後バイクに乗っていこうと思っている方は、とりあえず最初の1年目はKOMINEさんで一式揃えておくと安く安全に過ごせるので、本当におすすめです。
おっと。
先程イージスをオススメしましたが、できれば各関節と胸部・頚椎にプロテクターを入れてほしいです。
これ、トップ画像には男性用しか表示されないのですが、
ちゃんと女性用のモデル(おっぱいの形が多少考慮されています)もあるのにかなり安いのでめっちゃおすすめです。
冬の山道、特に朝は路面凍結する。転ぶと痛いよ。すんごく痛いよ。
プロテクターをつけない方が細く見えてスタイリッシュなのは重々承知しているんだけど、やっぱり怪我はしてほしくないです。
最後に、ヘルメット。
今のままでは顔がむき出しです。マフラーやシールドでガードしても、冷たい隙間風がビュービューと入ってきます。
フルフェイスにすることで、風をほぼシャットアウトできます。
何よりフルフェイス、転倒時に頭を守ってくれます。
ヘルメットのあごひも及び胸部プロテクターの着用状況調査結果 警視庁
警視庁からそのままお借りしてきました。
バイク事故で亡くなった方の48.1%は頭部を、35.1%の方が胸・腹部を損傷して亡くなっています。
命を守るためにも、フルフェイスヘルメットとプロテクターの着用をしてほしいな。
以上。多くなりました。
これらを全部装備するとこういう志摩リンが出来上がります。
……誰?笑
なでしこの場合
1巻ふもとっぱらキャンプにて、早朝しまりんのテントに潜り込むシーンがあります。
二人の距離が縮まる尊いシーンなのですが、たぶん実際にすると、寒くて寝られたもんじゃない。
なぜなら、冷気は地面から来ます。冷気がカットされずに、全力で来るからです。
ふもとっぱらは案外寒いので、この日もテントの外では霜が降るぐらいの寒さだと思います。
寝袋の下に敷くマットは、地面の硬さを緩和する役割はもちろん、冷気をカットするのにすごく役立っています。
地面と自分の間に空気の層を作るんですわ。
服にも同じこと言えますが、空気は最高の断熱材です。
風や地面の影響を受けないような、あったかい空気の層を自分の下に確保しましょう。
厳冬期じゃない限りはこの辺でなんとかなるんじゃないかしら。
それから寝袋。この記事内ではシュラフと呼びます。
冬はマミー型のダウンシュラフを用意しましょう。
メーカーが出してる快適使用温度を見て、想定される気温よりも少し余裕のあるもので決めましょう。
下限温度は「成人男性が体を丸めて8時間ギリギリ耐えられる気温」なので、ここを見て決めるとドエライ目にあいます。
女性は男性と比べて体温下がりがちらしいので気をつけましょ!
ダウンシュラフは撥水でないものもあるのですが、テントの中に泊まると湿度が高くなったりして、表面が結露する可能性があります。
すると羽毛にも水が染み込み、とたんに保温機能を失ってこれまたドエライことになります。
対策としては別途シュラフカバーを購入するか、はじめから撥水加工されたシュラフを買うかです。
我が家は撥水仕様のシュラフ、ナンガさんのオーロラシリーズを使っています。
お高い買い物ですが、今のところいい感じに使えてます。自信を持っておすすめします。
最後に、意外と見逃しがちなのが足の冷え。
冬に普段着の靴下でキャンプすると、足が死人のように冷たくなって寝られなくなった経験があります。
分厚い靴下を買うのももちろんいいと思うけど、テントブーツっていう暖かい室内用のブーツがおすすめです。
いろんなメーカーさんから出ています。寝心地が劇的に変わると思うので、是非お試しください!
相当過酷な環境でない限りは、この辺を対策しておいたらあとはブルーシートでテント作ったとしても寝られるんじゃないでしょうか。
あのシーンのなでしこがこれだけの装備を整えてテントに潜り込んできたとしたら、
ツッコミが入りそうですね。
警戒心がなさ過ぎる
それを言ってしまっては物語が終わっちゃうので、あくまで現実世界でキャンプをするとしたら、です。
そう少なくはない回数ある描写として、なでしこがしまりんの、しまりんがなでしこの、なでしこが葵ちやんと大垣のテントに、寝ている時にコッソリ入る描写があります。
実際にソロキャン中の女性がこれをやられたら、結構怖いと思います。
だって、入ってくるのがなでしことは限らないんだから。
どことは言いませんが、キャンプ場でちょっと話した女性のテントに夜、男性が入ってきたなんていう噂も聞いたことがあります。ヒギィ。
ということで、実際に私がやっている対策をちょっとご紹介します。
テントの出入り口のチャックを縛る
テントの出入り口のチャックは、開閉しやすいように2つついているものがほとんどだと思います。
なので、ここのチャック同士を内側から、ビニール袋や紐で縛って簡易的な鍵状態にしています。
実際されたことがないのでわかりませんが、ナイフでテント自体を破らないと入れなくなるので、簡単ながらもいい方法なんじゃないかと思ってます。
出入り口に荷物を置く
リュックとかツーリングバッグとか、大きめの荷物を置いて、出入りをしにくくしています。
狭いテント内なので意味がないと言われればそれまでですが、少しでも時間を稼げるかもしれないと思うと少し気持ちが楽になります。
あとはお財布は必ず自分のすぐ近くに置くか、鍵のついたパニアの中に入れるようにしています。
枕元に置くもの
なにかあった時に役に立つかはわからないけど、お守り代わりに、枕元に金槌とライトを置いて寝ています。
正直これは…あんまり意味がないかもしれない。笑
ライトは便利です。夜中にトイレに行きたくなった時、すぐに使えるので。
こんなところでしょうか。
私が気にし過ぎなのかもわかんないです。
でも、気にし過ぎて悪いことはないと思います。
もしも本当に悪い人が現れたとき、「この人は警戒しているぞ」感じてもらえたら、少しでも避けてもらえるんじゃないかという淡い期待を抱いています。
今年からハンモック泊に挑戦してみようと思っているのですが、どうしたらいいかなあ。
体力があり過ぎる
これも言ってしまうと物語が終わってしまうので、現実世界でするなら、の話です。
突然普段運動をしない女性が自転車でキャンプに行くのは無謀です。
というかそもそもの話ですが、はじめてのキャンプは近場で時間の余裕を持って、少しずつ始めたほうが気持ちに余裕ができていいと思っています。
キャンプ場は山の上にあるところが結構多い。ずっと上り坂です。
スポーツサイクルを楽しむ方の一部には坂上りを好む「坂バカ」という人たちがいるそうですが、これを読んでいる方はたぶん坂、苦手だと思います。私も苦手です。
海沿いなんかの低地にだってキャンプ場はありますが、坂以外にももう一つ解決すべき問題があります。
そう、キャンプギアは結構重いのです。
もちろん軽いギアもあります。
登山用のギアはみんなコンパクトで、テントでも1kg前後の軽いものがあります。
しかしながらそういったものはお値段が高い。
例えばこのニーモのテントは46,000円ほど。
とても初めてのキャンプに買えるようなお値段ではありません。
私自身は使ったことがないため、わからないです。。。
我が家にはツーリング用のテントしかなく、稀にむりやり歩きでキャンプに行くことがあるのですが、移動中はゲロゲロだし必ず筋肉痛になるし、とても人には勧められません。
登山用のギアを揃えないない限りは、キャンプはエンジン付きの乗り物で行きましょ!!
最後に
冬キャンはマジで最高です。虫もいないし人も少ない。
本音を言うと、人が増えるから、これ以上冬キャン流行って欲しくない気持ちもあります。
たくさんの人に体験してもらいたいけど、大勢の中では泊まりたくない。。。矛盾。
でも、仕方ない。本当に楽しいんだもの。
人が増えるとキャンプ場もギアもたくさん売れるし、業界全体に活気が出ます。
ただでさえ楽しかった冬キャンがさらに楽しくなったのは、間違いなくゆるキャンのおかげです。
ゆるキャンは、思い込みと視野の狭さから人権なしキャンプをしていた自分に、あったかキャンプをするきっかけをくれた作品です。
キャラクターたちのキャンプを追体験するもよし、聖地巡礼キャンプするもよし、お揃いのギアを集めるもよし。
色んな楽しみ方ができる本当に素敵な作品です。
ドラマもへやキャンもこれから楽しみだし、漫画もまだまだ続きそうです。
今後も負けずに楽しくキャンプするぞ!!
みなさんも、良いキャンプを!!ご安全に!!