ツーリング

いずれ沈みゆく道、国道418号線の記録

クロスカブを購入して酷道を走る機会が増えた。

以前よく行っていたのが酷道425号線。
全国でも一番を争う酷道のうちのひとつだ。

ただし、それも「現役の国道の中では」だ。
既に廃線となった道はもちろんもっと酷い。エグい。そして時に美しい。

今回はそんな道の中のひとつ、国道418号線の不通区間を覗きに行ってきた。

国道418号線 ―不通区間とは

どうして不通区間なのか。
ひとつには落石、倒木、損傷などが激しく復旧が困難となったため。
ふたつには丸山ダムの嵩上げ工事に伴い水底に沈む計画があるため。

嵩上げに関してはこちらの方がわかりやすく地図におとしてくださっていました。

代わりに現在新国道418号線バイパスの建設が進められています。
現地ではいたるところで工事が進められていました。


岐阜県八百津町にある新国道418号線の予定地。
向こう側に橋が完成しているのが見える。

今回行くのはこんな感じ。
青、紫、赤の道をチェックしていきます。

岐阜県恵那市 ―笠置ダム周辺

まずは岐阜県恵那市 笠置ダムへやってきました。

地図では赤の部分にあたります。

岐阜県内にあるこの笠置ダムですが、管理は関西電力。
今この駐輪している道が国道418号線にあたるのですが、ダムに至るまでの道には民家があり、民家を通り過ぎるまではこの通りきれいな道でした。

が、民家を通り過ぎたあと、ダムにつくまでの道は酷道風に。

それでもダム管理者の方が利用する機会が多いからか、かなりきれいに整備されていましたが。。

ダムを通り過ぎて直進すると、すぐにゲートに当たります。
ゲートの先は恐らく一部はダムの維持管理のため、それ以外は今後使われることもなく朽ちていく道路なのでしょう。
ゲートのすぐ先はきれいに片づけてありますね。

岐阜県八百津町南戸周辺 ―不通区間へ入る

笠置ダムで通行止めになっていた国道418号線ですが、反対側はどのようになっているのでしょうか?
別日、今度は岐阜県八百津町へやってきました。

旧国道418号線は、県道353号線の途中から入ることができます。
地図では青色のところにあたります。

橋を渡った先に見えるのが418のオニギリに×がつけられた標識です。


旧国道418号線はもう使われることがない道なのだ。
右折をした先は、意外にもきれいな路面が続いている。

さらに進むと通行止めの看板。


路面が急激に汚くなるため、ここから先へ進むのは推奨しません。

入ってすぐ、路面のど真ん中でアオダイショウのような蛇が昼寝をしていて、気が付かずに通った夫が蛇の腹を踏んでしまった。
驚いた蛇はそのあとに通ろうとした私に向かって牙を向いて威嚇をしてきて、思わず悲鳴をあげてしまった。
ビックリしたけど、たぶん一番ビックリしたのは蛇だ。ごめん。

路面は既に舗装が剥がれ、その下の砂利が露出している。
凸凹が激しい上水はけが悪く、さらに昨日雨が降っていたため深い水たまりはもちろん、

まるで林道のようにぬかるみがあるところも多数あった。

ただし、事前に調べていた話では大きい岩や倒木によって通れない箇所があるということだったのだけど、すべて取り払われた後だった。
ダムの関係者の方が地質調査のために度々訪れているようで、恐らくなのだけど、そのための整備が行われているようだ。
いよいよ418が沈む日も遠くないのかもしれない。

噂の二股トンネル

この区間には肝試しスポットで有名な二股トンネル、通称「朝鮮トンネル」がある。
この朝鮮トンネルという呼び方は個人的には好きじゃないのだけど、実際そう呼ばれているのだから仕方がない。

既に肝試しスポットと知っているからか、外から見ても異様な雰囲気をまとっているようにも見える。

もちろん中に電気は通っていない。
更にトンネルの出口がカーブしており、入り口からは出口の光が視認できない点も怖ポイント。
細長いトンネルの中では反響音がすごいし、いたるところから水が滴る音がする。
このへんの音も、幽霊っぽさを演出する怖さの要因のひとつなのかな。


「こわ~い!!」
と嘆きながら通ったものの、林道・旧道に行くとこういった真っ暗なトンネルは度々見かけるので、まあ、、、常識の範囲内でした。

夜に来ると怖いのかもね。

ちなみにこの二股トンネルを行く肝試し系YouTubeのおすすめとしては、ゾゾゾさんを推しておきたい。

上の動画、5:17からが二股トンネルが登場です。
この動画で見る限りは信じられないぐらい怖い。昼間と夜じゃ全然違うんだね。
あと、夜の国道418号線、お化け抜きにしてもダムに落ちそうでとても怖いですね。

そもそもなのですが…

さて、ここで浮かんでくる疑問が、

今でこそ放棄されているから路面もご覧の通りで「酷道」の名を欲しいままにしている旧国道418号線なのだけど、そもそもこの道を国道に制定したこと自体が間違ってやいませんかね?

天の声「それを言っちゃおしまいだぜ!!」

しかし本当に軽自動車が走るのもやっとというような道幅が続くので、この道の全盛期、一番きれいだった時がまったく想像もできないのだ。
度々思うのだけど、昔できた道って本当に「通れさえすればOK」みたいな道が多いですよね。

恐らく車自体国民全員が持っている時代ではなく、運転自体のハードルが高いということもあって、交通量も少なかったしドライバーの平均技術が高かったんだろう。
たぶん。知らんけど。

そのおかげで私たちは酷道を趣味として生きていけるのだから、昔のたくましいドライバー達には感謝しかありません。

さて、そうこう言っているうちに、行き止まりまでやってきました。
これで先ほどの笠置ダムの行き止まりから続く道の先、反対側のゲートまでやってきました。

地図上の紫色の手前までやってきました。

ゲートの先にあるものは…?!

ちょっとだけ、ゲートの先も覗いてみることにしました。
かつては道路であったことの証明のようなガードレール、反射板付きの視線誘導標。


気になるのがこの誘導標、カメラから見て表側に反射板がついているのですが、裏側には何も付いていないのです。
誘導標の背中があるだけ。


どちらかというと崖側を通る車に必要な気がするので、反対向きにつけた方がいいんじゃないかなあ…と思いますが。。。
きっとなにか理由があるのでしょう。

石がゴロゴロ転がる中に壊れた落石注意標識。
説得力があります。

大迫力の滝や

岩から染み出す湧水を眺めながら過ごしました。


湧水を飲んでみようとしたところ、夫が
「上に集落あるし、やめた方が…」とのこと。

そう。小規模ながら八百津町の集落がこの崖のてっぺんよりももっともっと上にあります。
なるほど、と思いながらも一口飲みました。無味。(おい)

見た感じはこの封鎖区間もきれいに岩や倒木が片づけてありました。
地質調査もしているようですし、きっと本当に沈んじゃうんだなあ。

岐阜県八百津町塩見付近の集落

ゲートまで戻って左側の道を上に登り、八百津町の集落へ上がります。

この左側の道、町道(国道でも県道でもなく、町道)なのですが、これもまた楽しいのだ。
ヘアピンカーブもあるし、もちろん舗装はあってないようなもので、

竹や木はもちろん、でっかい石が落ちていることもあります。

とは言えここは町道。
しかも廃道へと続くだけの町道。
昔はともかく、現在は一般通行者向けの道ではなく、道中にあった資材置き場?を使う住民の方のために最低限の整備をされている道を通らせていただいているので、例え喜んでいるとしても「酷い」というのはお門違いな気もします。

酷道好きとしてはこういう道、大好物ですけどね。

さて、集落まで上がれば冒頭でご紹介した新418号線の工事現場付近に出られます。

看板に味がありますね。

そのどこへも抜けられない所から上がってきたのですが、あれは廃道なのですからこの表記で間違いないと思います。

岐阜県恵那市 ―達原トンネル

さて、まだまだ国道418号線は続くのですが、派手な酷道区間としてはこれぐらいでしょうか。
最後に達原トンネルの旧道を覗いて終わりにしようと思います。

達原トンネルは、先ほどまでの廃道区間から418号線上を45kmほど南東に進んだ先にあります。
位置関係としてはこんな感じ。

だいぶ離れますね。
ここにちょこっとだけ旧道が残っている場所があったので、立ち寄ってみましょう。

達原トンネル ―西

こちらが達原トンネル。
2003年に完成した、失礼ながら場所にそぐわないような大きくて新しいトンネルです。

トンネル手前、右手に分かれているのが旧418号線で、2000年9月に起きた豪雨により崩壊してしまった道だそうです。
ということで、さっそく旧道へ入ってみましょう。

春らしく、緑が生い茂っています。植物、元気。
かろうじてアスファルトが見えるため以前は道路であったことがわかりますが、それ以外はジャングルと言っても良いぐらいの茂り具合です。

すぐに行き止まり。

ガードレールが朽ちて崩れています。
あと数年たてばこのフェンスの残骸も砕け切ってしまうんじゃないかしら。
(なぜガードレールだとわかるかというと、後述する2004年の様子を記録したブログの写真に写っているからです)

奥はさらに自然に還っており、かつて道であったアスファルトのど真ん中からも立派な木が生えている始末。
もう車を映すことのないミラーがポツンと寂しげに残されています。

枝葉をくぐりながらもさらに進むと、ついには道が崩れ落ちてしまっていました。
木々に隠れて見えにくいのですが、100mほど向こうに崩れかけた道の残骸が残っています。

帰宅後調べていると、2004年にこの場所へ来られた方の日記を見つけました。
基本的な形状は保たれているようですが、植物の量や、取り残された人工物の廃れ具合がまったく違っていて面白い。

例えば以前は道路脇に未舗装の陸地?のようなスペースがあったようなのですが、現在はこの通り。


道路の脇はすぐ、川です。
20年の歳月を経て少しずつ削り取られてしまったのですね。

あと10年後ここに来ることがあれば、その時はきっとアスファルト部分も川に崩され始めているかもしれませんね。

達原トンネル ―東

それでは一旦トンネルを通り抜け、先ほどの反対側から旧418号線を見に行ってみましょう。

入り口はこんな感じ。
川に向かって下り道になっています。

奥はモサモサと木と草が生え、こんな感じ。


なにがなにやらわかりませんが、この場所も、西側と同じ方が2004年の記録を残してくださっていました。

こちらの記事によると、さらに奥に元々の廃道が見えたそうなのですが、今はもう木々が成長してしまい、見つけることすらできなくなっているようでした。
ここでもやっぱり植物、元気。

国道418号線 2021年

以上、国道418号線の様子をお送りしました。

走って楽しいのはもちろんでしたが、以前の様子と比較するのも2度おいしいツーリングでした。
ブログってタイムカプセルみたいだね。

それでは、またね。

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